新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は2019年12月、中国の湖北省武漢で最初に特定され、すさまじい勢いで今も尚、世界中に広がっています。早く終息することを願うばかりです。
COVID-19とはなにか、新型コロナウイルスの特徴や新型コロナウイルスによる症状、経過、予防策としてできることなどをお話しします。
COVID-19とは?
CoronaVirus Disease 2019からくる略語で、2019年にコロナウイルスによって発生した病気を意味します。
この病原体となったコロナウイルスの名前は「SARS-CoV-2」(Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2)とされています。
SARS-CoV-2は名前からも分かるように
2002年11月に中国南部の広東省を起源として発生した、重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因となったコロナウイルス(SARS-CoV)に類似しているウイルスでベータコロナウイルス属のウイルスです。
新型コロナウイルスの名前はSARS-CoV-2で、新型コロナウイルスによる感染症をCOVID-19というわけです。
COVID-19の感染力の強さ
2002年11月に中国南部の広東省を起源として発生した、重症急性呼吸器症候群(SARS)は32の地域と国にわたり8,000人を超える症例が報告されました。
COVID-19は2019年12月、中国の湖北省武漢で最初に特定され、すさまじい勢いで今も尚、世界中に広がっています。
2020年3月25日現在、ジョンズ・ホプキンス大学のTracking Coronavirus COVID-19という世界版の新型コロナウイルス感染者数マップの情報によると、414277人が感染し、18557人の死者がでているとされています。
感染したヒトの咳やくしゃみで発生した飛沫を介した2メートル以内の密接な接触によりヒトからヒトへ感染します。
感染力は感染者が症状を示す前からある場合もあり、症状が強くなるのに伴って感染力も強くなると考えられています。
また、主要な感染経路とは考えられていませんが、COVID-19の原因となっているウイルスSARS-CoV-2は、プラスチックやステンレス鋼上で40時間、段ボールでも21時間、エアロゾルで6時間程度安定的であるため、このような物質上に付着していたウイルスやエアロゾルによる感染の可能性もあります。(※安定的な時間はウイルスの半減期の6倍で算出)
プラスチック上で3日安定的に存在していたという報告もあります。
妊娠後期のCOVID-19の少数での報告ですが女性では、垂直感染による子宮内感染は報告されていないため、生まれてくる子どもは少なくとも生まれる瞬間までは感染しないと考えられます。
潜伏期間は?
中国の武漢のデータ報告の一つに潜伏期間のほとんどは9.2日~18日の間におさまり、平均すると12.5日との報告があります。
感染者に濃厚接触した場合の経過観察期間が14日程度とされるのにはこういった背景があります。
症状について
一般的な兆候としては、発熱、咳、息切れがあり、80%程度は軽度です。重症となるのは14%程度、5%弱が敗血症性ショック、多臓器不全、呼吸不全などの重大な状態となったとの報告があります。
死亡率について
年齢による死亡率は80歳以上の患者で14.8%、70-79歳の患者の8%、60-69歳の患者の3.6%、50-59歳の患者の1.3%、40-49歳の患者で0.4%、10-39歳の患者の0.2%、0-9歳の患者では0との報告があり、ほとんどが高齢者であることが分かります。
さらに、併存疾患による死亡率では心血管疾患患者の10.5%、糖尿病患者の7.3%、慢性呼吸器疾患患者の6.3%、高血圧患者の6%、がん患者では5.6%、併存疾患のない患者では0.9%と併存疾患があると死亡率が高くなる傾向にあります。
さいごに
死亡率から考えると若くて併存疾患もない人が死ぬことはかなり稀です。
しかし、感染が広がっていくことで毒性が増す可能性もありますし、潜伏期間の長さ、感染力の強さを考えると一人一人が感染予防を徹底することが終息への近道であることは間違いありません。
個人のできることといえば、自分自身がすでに感染している可能性を考えて、外出の際はマスクをし、感染予防のためには手洗いをしっかりと行い、不要な外出は避ける。このようなことを一人一人が心がけていく必要があるのではないかなと感じます。