ルビプロストン(アミティーザ)の特徴、使い方や注意点、作用機序、指導のポイント

下剤

ここでは、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の効能を有する世界初のクロライドチャネルアクチベーターである、ルビプロストン(アミティーザ®)の基本的な情報から使用方法、注意点や指導のポイントについてお話ししていきます。

基本情報

効能・効果:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
用法:1日2回朝食後及び夕食後
用量:1回24μg

Tmax:0.8hr(24μg単回投与)
半減期:1.2hr(24μg単回投与)

腎機能による調整:あり
肝機能による調整:あり
食事の影響:あり
併用禁忌薬:なし
禁忌疾患等:あり

特徴

小腸での水分分泌を促進することによって便を柔らかくし、腸管内での便の移動を容易にして排便を促進します。服用開始して24時間以内に自発排便が認められることも多く、自発排便回数を増加させます。 悪心の副作用が多く見られますが、使用しているうちに次第になれることもありますが、食事と摂取すると緩やかに体に吸収される影響か、食事量の多い食後に服用すると軽減することがあります。小腸上皮頂端膜(腸管内腔側)に存在する腸クロライドチャネルを活性化し管内への水分分泌を促進しますが、電解質への影響はありません。

作用機序

ルビプロストンは、小腸上皮頂端膜(腸管内腔側)に存在する腸クロライドチャネルを活性化し管内への水分分泌を促進することで便を軟らかくし、腸管内の輸送を高めて排便を促進します。

主な副作用

下痢、悪心、腹痛、胸部不快感などがあり、特に下痢や悪心の頻度は高い。

下痢の際は、一旦中止や減量すると良いでしょう。高齢者などでは少量から開始するというのも一つの方法と言えるでしょう。

悪心に関しては食事量の多い食後に服用すると軽減されることもあります。

腎機能および肝機能障害による薬剤調整

中等度又は重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB又はC)のある患者では、1回24μgを1日1回から開始し、重度の腎機能障害のある患者では,患者の状態や症状により1回24μgを1日1回から開始すること。

食事の影響は?

高脂肪食とともに投与したときのCmaxは空腹時投与と比較して55%低下、AUCは同程度、また、食後のTmaxは空腹時に比べて遅延。これらの結果から、 食事によりルビプロストン吸収量は変化を受けないが空腹時に比べ吸収速度は遅延。(添付文書)

身体の中に入る薬の量には影響しないが、吸収されるスピードが遅くなると言える。

禁忌疾患等

腫瘍、ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者は腸閉塞を悪化させるおそれがあるため禁忌です。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人も禁忌です。

妊婦・授乳婦への影響

ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験において,対照群に対し,本剤1000μg/kg/日投与(体表面積換算で臨床用量の約166倍)で着床数及び生存胎児数の有意な減少がみられた.

とのことから、妊婦では禁忌となっています。

授乳婦に関しても、(ラット)で放射能の乳汁中への移行が報告されていることから授乳を避けることとされています。

指導のポイント

禁忌事項の確認:腸閉塞もしくは腸閉塞疑いがないか、妊婦又は妊娠の可能性のある婦人
肝機能による用量調整の確認:肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB又はC)のある患者では、1回24μgを1日1回から開始
腎機能による用量調整の必要性確認:腎機能低下があれば初回用量を少なく開始や、副作用が強く出ていれば減量考慮など
下剤が適正に使用されているかの確認:過量になっていないか、不要に多剤併用となっていないか定期的に確認
食後の用法説明
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には禁忌であることを説明:全員に説明が必要とは思わないが、何歳まで説明するかは少し悩ましいところ。40代での出産もあることを考えると、40代くらいまでは説明が必要なのではないだろうか。

ルビプロストン(アミティーザ®)が食後投与である理由

一般的に食事量の多い食後では悪心の副作用が少ないことが分かっています。副作用軽減の観点から食後投与となっています。

 

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