油脂性基剤と脂溶性薬剤の坐薬を使う順番・間隔

Q薬

薬の成分が練り込まれている基剤が油脂性のものと水溶性のものがあり、油脂性の基剤を使った坐薬を油脂性基剤の坐薬、水溶性の基剤を使った坐薬を水溶性基剤の坐薬と言います。

いったいこの違いはどういったところにあるのでしょう。そして、使用時の注意点に関しても見ていきたいと思います。

油脂性基剤と脂溶性薬剤の坐薬について

まず、油脂性基剤はについて。

グリセリン脂肪酸エステルやハードファットといわれる基剤を使用しており、これらの体温程度の温度で溶けてしまう性質と、脂溶性の物質を引き付けやすい性質をもっています。

一方、水溶性基剤はというと、ソフトゼラチンやマクロゴールといわれる基剤を使用しており、水分によって溶ける性質と、水溶性の物質を引き付けやすいという性質を持っています。

油脂性基剤は直腸の体温で溶け、水溶性基剤は直腸にある水分で溶けて含んでいる薬剤を放出するので坐薬の基剤として使われるんですね。

油脂性基剤と脂溶性薬剤の坐薬にはどのようなものがある?

油脂性基剤の坐薬一覧:一般名(商品名)

・アセトアミノフェン坐剤(アルピニー坐剤、アンヒバ坐剤、カロナール坐剤)

・ジクロフェナクナトリウム坐剤(アデフロニックズポ、ベギータ坐剤、ボルタレンサポ、ボンフェナック坐剤)

・ジフルコルトロン吉草酸エステル・リドカイン坐剤(ネイサート坐剤、ネリコルト坐剤、ネリプロクト坐剤)

・フェノバルビタール坐剤(ルピアール、ワコビタール)

・炭酸水素Na・無水リン酸二水素Na(新レシカルボン)

アセトアミノフェンとジクロフェナクナトリウムは解熱鎮痛薬、ジフルコルトロン吉草酸エステル・リドカインは抗炎症・鎮痛薬、フェノバルビタールは抗けいれん薬、新レシカルボンは下剤です。

水溶性基剤の坐剤一覧:一般名(商品名)

・ジアゼパム坐剤(ダイアップ坐剤)

・ドンペリドン坐剤(アースレナン坐剤、ナウゼリン坐剤)

・メサラジン坐剤(ペンタサ坐剤)

・抱水クロラール(エスクレ坐剤)

ジアゼパム、抱水クロラールは抗けいれん薬、ドンペリドンは制吐薬、メサラジンは潰瘍性大腸炎に使用する薬剤です。

二つ以上の坐剤を続けて使用したい場合の順番

油脂性基剤のみや水溶性基剤のみを使用する場合

同じ種類の基剤の場合。前に入れた坐剤と5分くらいを目安に間隔をあけてから使用しましょう。

油脂性基剤と水溶性基剤を使用する場合

違う種類の坐剤を使用する場合には特に注意が必要です。水溶性基剤を使用した後に、30分以上間隔をあけてから油脂性基剤を使用してください。油脂性基剤を先に使用してしまうと、水溶性基剤のに含まれるお薬が油脂性基剤に引き付けられ吸収されにくくなり、効果が落ちてしまいます。

もしも先に油脂性基剤を使用してしまったら…。できる限り時間をあけて使用しましょう。必要時には1時間程度あけてみて使用し、効果をみるというのが現実的でしょうか。ただし、薬剤の性質上効果がしっかりと得られる保証はありません。

異なる基剤の坐剤併用例

小児科領域で出されそうな坐剤の組み合わせを紹介したいと思います。

アセトアミノフェン坐剤(アルピニー坐剤、アンヒバ坐剤、カロナール坐剤)
ジアゼパム坐剤(ダイアップ坐剤)の組み合わせの場合

まず、ジアゼパム坐剤と使用した後、30分以上経過してからアセトアミノフェン坐剤を使用しましょう。

アセトアミノフェン坐剤(アルピニー坐剤、アンヒバ坐剤、カロナール坐剤)
ドンペリドン坐剤(アースレナン坐剤、ナウゼリン坐剤)の組み合わせの場合

まず、ドンペリドン坐剤を使用した後、30分以上経過してからアセトアミノフェン坐剤を使用しましょう。